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諸行無常の響きあり [冠婚葬祭]

「これが悪い夢ならいいのに・・・」
夕方、同期の友達と一緒に後輩くんの通夜に向かう。その足取りは重い。
斎場入口に大きく書かれた彼の名前を見ても、祭壇に飾られた遺影を見ても
心のどこかでは「嘘でしょ、どっきりか何かじゃないの?」と、信じられずにいる。

温かい彼の人柄を反映するがごとく、大勢の若者が後から後から弔問に訪れては
沈痛な面持ちをし、また涙している。
そう、これはどっきりじゃない。彼が亡くなったことは、紛れもない事実なのだ。

「ご対面をご希望の方はお越しください」
通夜が終わり、係の人のアナウンスがあった。
通夜の席でご対面って珍しいよね?私と友達は
「告別式のご対面とか出棺はちょっと重すぎるから、お通夜に出よっか・・・」
ということで今日来たので、終わったらすぐに帰ろうとしていたんだよね。
だけど、彼の親友が目に涙をいっぱい溜めて
「きれいな顔してますから、どうぞ会ってあげてください」
と言うので、意を決してご対面することにした。

あまりにも悲しすぎる現実を、受け止めざるを得ない瞬間だった。

先週まで元気に出社していたという彼の死を、いったい誰が想像し得ただろう。
それはきっと、本人だって想像できなかったに違いない。
私は販売応援で会社にいなかったから、最後に彼に会ったのは1ヶ月も前のことだ。
最後に交わした言葉は何だっけ・・・残念ながら、それすら思い出せない。

今日、お坊さんが読経の後で
「人生とは無常であることを、命がけで教えてくださったのです」
とおっしゃっていた。
確かにそうかも知れないけどさ・・・そんなこと、彼に教わりたくはなかったよ。
彼はこれからの人生を、意気揚々と渡り歩くべき人間だったのに・・・。
悔しいよね。

ところで。
彼はひとり暮らしの部屋で、夜中にネットを見たり本を読んだりしながら
眠るように亡くなった・・・と言われている。
(後になって発見されたので、詳細は誰にも分からないんだけど)
これって実は、決して他人事じゃなかったりするんだよね。特に私なんて、運動したり
飲みすぎたり残業したり夜更かししたり・・・その素質は大いにあるはずだから(汗)
病死に限らず、最近は電車に乗ってもエレベーターに乗っても死ぬかも知れないし、
突然殺されたりすることもあるかも知れない。
いつ死んでもおかしくない世の中。だから、やりたいことは後回しにしちゃいけないんだ。
日々、悔いなく生きなきゃね。

とりあえず、部屋は綺麗にしておかなきゃ・・・と思ったなまみでした。

後輩くんのご冥福をお祈り申し上げます。  合掌


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コメント 2

アネ

苦しい経験だね、なまみ。書いてある言葉は全部わかるよ。
どれも私も感じたことばかりだよ。
私は大好きな男友達(元は同僚)を突然亡くしていて、今月が早くも13回忌。発狂するかと思ったけど、狂わずに今も私は生きてる。
その後も約5年おきに大好きな友達を亡くしてる。
自分より若い世代といえば、取引先で親しくしていた男の子(24歳くらい)が数年前に事故で突然。
特に親しい関係ではなかった同級生や職場の先輩等を含めればもっと。

答えの無い、落としどころのみつけにくい悲しい現実なんだけど、
誰かに無性に吐き出したくなることがあるかも。
そんなときは遠慮なく私を使ってちょ。
といっても未だに受け入れきれてない人間なので、楽になるような言葉はかけられないけれど、聞き役としてなら多少役立てるかもしれないよ(^^)
by アネ (2006-06-22 16:03) 

なまみ

アネ、どうもありがとう。
しんどい時は頼っちゃいますので、どうぞよろしくねん。
しかし、こういう話は歳を重ねるごとに増えていくんだよねぇ・・・。
by なまみ (2006-06-23 04:54) 

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